一日の最後、自分に戻る。

ベッドに向かう30分前。
アロマディフューザーにラベンダーのオイルを2〜3滴垂らして、スイッチをON。
ここから眠りにつくまでの数分が私の至福の時間。

力が入っていた体をゆっくりと伸ばしてストレッチ。
右に左にねじって、体側を伸ばして、最後に前屈。
「肩に力が入っている」や、「今日は腰がこわばっている」など、
毎日ストレッチをしていてもその日によって体の伸びが違うのが面白い。

ストレッチ後は瞑想へ。
あぐらをかいて、手のひらを上に向けて膝の上へ、そしてそっと目を閉じる。
次々に思考が浮かんでくるが、その度にその考えを手放し、流す。
「吸って・・・吐いて・・・」と、呼吸に集中すること。
ほんの数分でも、瞑想の時間は本来の自分に戻るためのかけがえのない時間だ。

明日の私のために。

ベッドルームがラベンダーの香りで満たされる。
ベッドにゴロンと横になり、
学生の頃から愛読しているジャン・コクトーの「コクトー詩集」を手にとる。
パラパラとページをめくる。
今夜、目に止まった詩は、「耳」だった。

「耳」
私の耳は貝の殻
海の響をなつかしむ

瀬戸内の波音に想いを馳せ、柔らかなパジャマの肌触りに癒されながら眠りにつく。
オーガニックコットンのブランケットにくるまって、
まるで子どものように体を丸めて、眠りに落ちる。
深くて質の良い睡眠を、明日の自分へ贈る。